今回は、「子どもの心理療法」について大人の場合と比較しながら自分の言葉で説明できるようまとめていきたいと思います。
子どもの心理臨床は成人の心理臨床と比べて何が違う?
- (子どもは成人と違って)言語による自己表現ができないので「遊び」を通じて自己表現する!
- (子どもは成人と違って)言語的情報に基づく査定もできないので治療仮説や治療目標の設定も言語情報に頼れない!
- (子どもは成人と違って)親等の保護下にあるため、治療目標などの設定などにおいて親との合意形成が必要!
- (子どもは成人と違って)人格が完成しておらず社会性も十分身についていないため、安全なセラピーとなるように、カウンセラーとの関係において一定の制限を設けなければならない!
このように、子供の心理臨床は、クライエントが大人である場合と比べて明らかに異なる!
「遊戯療法」とは?
「遊戯療法」とは、言語能力が未熟で内的な世界を言語で表現することが困難な子どもを対象に、遊びを媒介として自己表現を促す心理療法である!
遊戯療法は、「アスクラインの8原則」に従って行われる!
アクスラインは、クライエント中心療法の考え方を遊戯療法に活用するために「8つの原則」を掲げた。
「アスクラインの8原則」とは?
- よい治療関係(ラポール)を成立させる
- あるがままの受容を行う
- 許容的雰囲気を創る
- 子どもの自己洞察の助けとなるように、適切な情緒的反射を行う
- 子どもに自信と責任を持たせる
- 非指示的態度をとり、治療者は子どもの先導に従う
- 変化は長い時間を必要とするため進行を急がない
- 必要な制限を与える
「アスクラインの8原則」はこうやって覚える!!!!!
まずはラポールを形成し子供を正確に受容したら、子供が自由に自己表現しやすいようにおおらかな雰囲気(許容的雰囲気)を作るよ!
(おおらかな雰囲気の中で)子供が表現する気持ちを敏感に認知したら、子供の自己洞察の助けとなるように情緒的反射をしてあげることを忘れないでね!
大切なのは子供の問題解決能力を尊敬・尊重し、自信と責任を重視することだから、子供に対して非私事的態度をとるようにして、子供の先導に従うようにしてあげてね!
その際、治療がゆっくり進むことを理解し、進展を急いではだめだよ!
ただし、子供が現実社会における責任に気づけるように一定の制限を設けることは大事だからね!
遊戯療法において治療枠を維持するために設けられる「一定の制限」とは?
- 時間を守る
- 場所を守る
- 用具の持ち帰りを禁止する
- 過度の攻撃・破壊を禁止する
- 過度の感情表出の禁止する
これらの制限により、治療者と子どもの安全が確保され、子どもの自己表現が促進されることで、遊戯がセラピーとして成立するのである。
「子供の心理臨床」の留意点について成人の場合と比較しながら論述してみた結果
【「子どもの心理臨床」の留意点について成人の場合と比較しながら論述してみる!】
(子どもの心理療法といえば、遊戯療法!)
子どもを対象とする心理療法の多くは、非言語的な心理療法である遊戯療法が選択される。
遊戯療法とは、言語能力が未熟で内的な世界を言語で表現することが困難な子どもを対象に、遊びを媒介として自己表現を促す心理療法である。
(子どもの心理臨床の特殊性(大人の心理臨床と比較しながら説明))
子どもは成人と違って、言語による自己表現ができないので遊びを通じて自己表現を行う。
また、子どもは成人と違って、言語的情報に基づく査定もできないので治療仮説や治療目標の設定も言語情報に頼れない。
また、子どもは成人と違って、親等の保護下にあるため、治療目標などの設定などにおいて親との合意形成が必要となる。
また、子どもは成人と違って、人格が完成しておらず十分は社会性も身についていないため安全なセラピーとなるように、カウンセラーとの関係において一定の制限を設けなければならないのである。
(アスクラインの8原則の説明)
遊戯療法は、上記の子どもの心理臨床における特殊性を踏まえた上で、アスクラインの8原則に従って行われるが、その中で、時間や場所の指定や過度の攻撃や感情表出の禁止など、より明確な制限が設けられている。
遊戯に一定の制限を設けることで、子供が現実社会との接点を経験し、自らの責任を受け入れられるようになるのである。
こうして治療枠が維持されることで、治療者と子どもの安全が確保され、子どもが安心して自己表現することが可能となり、遊戯が安全なセラピーとして成立する。
このように、一定の制限が設けられた枠の中で、遊戯を通じて自己表現する子供たちをカウンセラーが受容・共感的に受け止めることで、子供は自己受容に向かい、成長を遂げるのである。
以上、この記事が私と同じように臨床心理指定大学院を目指していらっしゃる方と共有できましたら幸いです。
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