今回は、「臨床心理学の研究を進める上で求められる倫理的配慮(ethical considerations)」について自分の言葉で説明できるようにまとめていきたいと思います。
臨床心理学の研究には主に3つの研究法が使用される!
- 実験法(心理療法の効果や心理検査の結果について仮説を定立し、それを実証する方法)
- 質問紙調査法(パーソナリティや認知、経験、社会適応などについて仮説を定立し、それを実証する方法)
- 事例研究(カウンセラーが自分の担当した事例に関し、介入の効果やクライエントの変化の過程について、時間軸に沿って記述する方法)
臨床心理学研究におけるあらゆる研究法に共通する「倫理的配慮」とは?
臨床心理学の研究は、どの研究法においても人間を対象とし、対象者が様々な苦悩を訴えているクライエントであることも多いため、他の研究領域にもまして、多くの倫理的配慮が必要となる。
- インフォームド・コンセント(対象者に対して、研究目的や研究方法の概論を説明し、参加への同意を得なければならない!)
- 個人情報の保護(研究において得られたデータは所定の目的のみに使用し、目的以外の使用や他者へのデータ開示は行ってはならない!)
- 倫理委員会による許可(研究目的や方法について、所属組織の倫理委員会による審査を実施し、倫理的に問題がないことを確認しなければならない!)
「実験法」「質問紙調査法」「事例研究」など研究法ごとの固有の倫理的配慮とは?
研究法 | 固有の倫理的配慮 |
実験法 |
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質問紙調査法 |
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事例研究 |
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「臨床心理学の研究を進める上で求められる倫理的配慮」について自分の言葉で説明してみた結果
【臨床心理学の研究を進める上で求められる倫理的配慮について自分の言葉で説明してみる!】
(臨床心理学の研究法の説明)
臨床心理学の研究方法としては、主に「実験法」「質問紙調査法」「事例研究法」などがあげられる。
そしてこれらの研究法はすべて人間を対象とし、対象者が様々な苦悩を訴えているクライエントであることも多いので、他の研究領域にもまして、多くの倫理的配慮が必要である。
(すべての研究方法に共通する倫理的配慮とは?)
どの研究法にも共通する倫理的配慮として、まず、インフォームド・コンセントの実施があげられる。
対象者に対して、研究目的や研究方法の概論を説明し、参加への同意を得なければならない。
次に、個人情報の保護があげられる。
研究において得られたデータは所定の目的のみに使用し、目的以外の使用や他社へのデータ開示は行ってはならない。
もう一つは、倫理委員会の認可があげられる。
研究目的や方法について、所属組織の倫理委員会による審査を実施し、倫理的に問題がないことを確認しなければならない。
(研究法ごとの倫理的配慮とは?)
<実験法における倫理的配慮>
実験法を用いる場合の倫理的配慮としては、操作する独立変数として苦痛や不快を与える刺激を用いてはならないこと、やむを得ずディセプションを行う場合には実験終了後にデブリーフィングを行い承諾を得ること、実験の途中であっても途中放棄は自由であること、などがあげられる。
<質問紙調査法における倫理的配慮>
次に、質問紙調査法を用いる場合の倫理的配慮としては、質問内容が対象者に不快を与えないものであること、質問項目を多くしすぎないこと、回答の途中であっても回答の継続を拒否することが可能であること、などがあげられる。
<事例研究における倫理的配慮>
もう一つの事例研究における倫理的配慮としては、録音や録画をさせてもらう場合には事前に許可を得ること、事例を論文として執筆することへの許可を得ること、執筆した論文において個人を特定されないように配慮すること、などがあげられる。
以上、この記事が私を同じように臨床心理士指定大学院を目指していらっしゃる方の参考になりましたら幸いです。
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