今回は、遊戯療法の実際の場面を想定し、「遊戯療法において表れた子どもの攻撃行動についての解釈、およびその対応」についてまとめていきたいと思います。
遊戯療法における攻撃行動には5つの解釈が考えられる!
- 学習理論1(報酬獲得のためのオペランド行動として強化されたもの)
- 学習理論2(観察学習による代理強化として成立したもの)
- フラストレーション攻撃仮説(欲求不満が怒りを喚起することで起こったもの)
- 社会的攻撃(他者との関係において攻撃を利用したもの)Ex:挑発するため、報復するため
- 本能(死の本能(タナトス)による自己破壊の衝動を他者もしくはおもちゃに投影し攻撃が表れたもの)
このように、遊びの中で攻撃が表れた時、その意味は心理学的な理論に基づいて理解する必要がある。
ただし、これらはそれぞれが単独で機能しているとは限らず、複数の要因が重なっていることもありうる。
遊戯療法における「制限」を子供が守らなかったときどうしたらいい?
遊戯療法における「制限」とは?
- 時間を守る
- 場所を守る
- 用具の持ち帰りの禁止
- 過度の攻撃・破壊の禁止
- 過度の感情表出の禁止
遊戯療法において「制限」を設ける目的は?
セラピー場面を、クライエントが恐怖を感じている日常生活から切り離された安全・安心な場所として確保することで、クライエントの自由な自己表現を可能とするため!
また、社会性が十分に発達していない子供たちに一定の制約を守らせることで、セラピー画面を現実社会との接点として機能させるため!
遊戯療法において子どもが「制限」を守らなかったとき、どのように対応したらいいの?
無下に禁止するのではなく、コミュニケーションの中で、子どもが自発的にやめるように促すことが必要!
「遊戯療法において現れた子どもの攻撃行動についての解釈、およびその対応」について自分の言葉でまとめてみるよ!
【遊戯療法において現れた子どもの攻撃行動についての解釈、およびその対応について自分の言葉でまとめてみる!】
(遊戯療法における子どもの攻撃行動の解釈)
遊戯療法において、子どもがカウンセラーや玩具に攻撃行動を示すことは、アクスラインの8原則によって課せられた制限を破る行為であり、治療抵抗の現れと解釈することができる。
その他の解釈としては、攻撃行動を、(1)オペラント行動として強化されたもの、もしくは、(2)観察学習による代理強化として成立したもの、(3)家庭や学校における欲求不満により喚起されたもの、さらに、(4)カウンセラーの気を引くための利用したもの、(5)自己破壊の衝動を他者もしくはおもちゃに投影し攻撃が表れたものと捉える可能性も考えられる。
(遊戯療法において攻撃行動が見られる子どもに対する対応)
これらの攻撃行動に対してカウンセラーは、無下に禁止するのではなく、コミュニケーションの中で、子どもが自発的にやめるように促すことが必要となる。
(子どもが自発的に攻撃行動をやめるように促すのはなぜか?)
なぜならば、遊戯療法における攻撃行動は、治療枠を壊すものであり、認めてはならず、やめてもらわなければならないからである。
ただし、遊戯療法において制限を設ける理由が「クライエントを日常から切り離し、セラピー場面をクライエントにとって安心して自由に自己表現できる場所にすること」であることを鑑みると、攻撃行動を無下に禁止してしまっては、セラピー場面が子どもにとって安心して自己表現できる場ではなくなってしまう可能性がある。
そのため、カウンセラーは、治療抵抗の可能性などを考慮しつつ、本人が自発的に攻撃をやめようと思うように促すことが必要となる。
以上、この記事が私と同じように臨床心理士指定大学院を目指していらっしゃる方と共有できましたら幸いです。
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