今回、「医師が行う診断と臨床心理士が行う査定(アセスメント)の共通点や相似点」について自分の言葉で説明できるようにまとめていきたいと思います。
臨床心理査定(アセスメント):観察・面接・心理検査を用いてクライエントの全体像を理解する作業のこと
「査定」と「診断」それぞれの目的や共通の目的とは?
【大前提】
「査定(アセスメント)」は臨床心理士が行い、「診断」は医師が行う!
【査定(アセスメント)の目的】
事例性の視点にたった個人の生活の理解
【診断の目的】
疾病性の視点に立った症状・疾病・障害の特定
【査定(アセスメント)と診断の共通の目的】
支援活動の前提として、個人の特徴を把握・理解すること
「治療行為」と「診断行為」を行ってよいのは、医師国家免許を持った者のみであるり、臨床心理士は、精神障害等の知識を豊富に持っていても「診断」を行ってはならないし、心理療法のスキルを持っていてもそれを「治療」の目的として行ってはならない!
行う人 | 目的 | 視点 | |
診断 | 医師 | 「症状・疾病・障害を特定」し、診断に基づく治療を行うこと | 疾病性 |
査定(アセスメント) | 臨床心理士 | 「個人の生活の理解」し、社会適応の支援を行うこと | 事例性 |
臨床心理士は、臨床心理査定に基づく心理的側面からの個人の適応支援のために存在している!
「査定(アセスメント)」における具体的な手法とは?
臨床心理査定における具体的な方法として「面接」「観察」「検査」の3手法が主に用いられる。
目的 | 得られる情報 | |
面接 | 聴取 | 成育歴や家族歴、学校や職業、不適応にまつわるエピソード |
観察 | 不適応にまつわる要因を見出すこと | 服装や髪型、顔つきや顔色、身振り手振りや声色(非言語的な側面) |
検査 | 面接や観察で把握できない部分を明らかにすること | パーソナリティ傾向 |
そして、これらは、「生物心理社会モデル」に基づき、個人の生活全般の理解を目指して行われる。
「査定(アセスメント)」と「診断」の共通点や相似点について論述した結果
【「査定(アセスメント)」と「診断」の共通点や相似点について論述してみる!】
(「査定(アセスメント)と「診断」の相似点」)
査定(アセスメント)とは、事例性の視点から、個人生活を理解し、社会適応の支援を行うことを目的とし、臨床心理士によって行われる。
また、「診断」とは、疾病性の視点から、症状・疾病・障害を特定し、診断に基づく治療を行うことを目的とし、医師によって行われる。
このように、臨床心理士と医師は、その領域が異なり、担うべき役割も異なるので、それぞれが行う「診断」と「査定(アセスメント)」は本質的に大きく異なるのである。
(「査定(アセスメント)と「診断」の共通点」)
ただし、両者は、「支援活動の前提として、個人の特徴を把握理解すること」を目的とする点において共通する。
(「査定(アセスメント)」における具体的な方法と「生物心理社会モデル」について)
臨床心理士にとって、クライエントの疾病や障害を把握することは必要であるが、それはクライエントにとって生活の一部でしかない。
そこで臨床心理士は、病気になった経緯やクライエントを取り巻く社会的支援など、クライエントの生活に影響を与えうる要因全般を探り、その人に特有の問題に目を向け、幅広い視野をもって治療仮説・治療計画を立てることが必要となる。
そして、その際に、クライエントの不適応の要因を考えるにあたって重要となる着眼点が「生物心理社会モデル」である。
臨床心理士はこの「生物心理社会モデル」に沿って、生物学的・心理学的・社会学的な側面から、クライエントを多角的にアセスメントすることが求められるのである。
以上、この記事を私と同じように臨床心理指定大学院を目指していらっしゃる方と共有できましたら幸いです。
はじめまして。さくらと申します。
読ませていただいてとても勉強になりました。
ありがとうございます。
私は37歳で秋受験を目指して勉強しています。
通信制の大学で心理学を勉強して、卒業しました。
臨床心理士になりたいと強く思っています。
読ませていただいて、もっとがんばろうと思いました。
ありがとうございました。